看護師

複雑にファクターが絡む

女性

なかなか脱却できない

うつ状態が長期化したものを遷延性うつといいます。専門家から見てもなかなか難しい鬱病で、うつ状態が長い期間続いて回復するという他の鬱病とは異なる特徴を持っています。これは、うつ状態に陥った原因やきっかけが解決されないまま心の奥深くに残っているなど、解決できない心の葛藤というファクターが持続し続けている状態です。何回かうつ状態を繰り返した後に、最後のうつ状態が治らずにそのまま続くことが稀にあります。本人は、前は回復していたのに、今回はどうして治らないのかと悔やんでばかりになります。そうなると主治医に対する不満の訴えが出てきてしまったり、時にはドクターショッピングにはしったり、民間療法を頼ったりしてしまいがちです。それだけ本人は治らない鬱病に苦しんでいて、藁にもすがる気持ちという状態です。一方で、初めて鬱病になったケースでもそのまま回復しないこともあります。うつ状態が少しなくなる期間もありますが、一向に症状が改善しない状態が続き、高齢者の鬱病によくある状態です。やる気がしない、昔はこんな風ではなかった、家事や子育てをしていた頃は充実していたなどの心理状態で、仕事や家事をしたくないので家でじっとしているという状態が続きます。しかし、本人はその状態が本来の姿ではないので、どうして元に戻れないのかと悔やみ続けることになります。その結果、どんどん自分を責めてしまうという回路から抜け出せなくなってしまうわけです。この鬱病の場合、人生の価値が、昔の自分の生き方にしかなくて、今の自分の存在に価値を見いだせていないことがほとんどです。本人は自分には能力がないといいつつも、心の内ではそうでもないと考えています。能力はあるのにどうして今の何もできない自分がいるのかという思考回路の堂々巡りを繰り返すことが多いです。現在の何もする気力のない自分の価値を否定して、過去の自分の価値しか見いだせない心理状態から脱却できないのが、遷延性うつ病にかかる人の特徴です。この脱却できない心理状態には、本人自身の問題と本人を取り巻く状況に問題があり、それを解決していくことが大事になります。